小原雅夫の仕事

    
    函館の高層マンション反対運動(3)

                                      小原雅夫(画家)
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第3章   函館の魅力
第4章   函館市役所と住民達の景観意識
第5章   当時の函館のマンション事情


      第3章 函館西部地区の魅力(休憩タイム)

 ここで運動を離れて、まず函館の魅力について思つくままにまとめてみよう。

・古くからの住人には人情味があり、皆さん親切である。
・海に囲まれており、近くには畑作地帯もあるので、美味しい食べ物に恵まれている。
 特に烏賊の加工品の生産高は全国一。近隣で獲れるマグロは日本一とも称される。
・コンパクトな範囲に海も山もあるため、ちょっと散策するだけで景色の変化を楽しる。
・戦火をくぐり抜けた明治・大正の建造物が沢山残っており、それらは店舗や民宿、
 喫茶店等に改装されていて、見学して歩くのも楽しい。
・水道水が安く美味しい。
・災害が少ない。台風も函館に来る前に勢力を落とすし、地震や水害も少ない。
・北海道として温暖な気候で、雪も少ない。除雪は筆者で年に数回程度である。
・夏も涼しくクーラー不要。筆者の周辺のほとんどの家では設置されていない。
・昔から「世界の三大夜景」と呼ばれている(自称?)ように高台から眺めた夜景は、
 陸繋島と呼ばれる地形に縁どられ、大変に美しい。
  これに漁火が加わると更に魅力的となる。勿論夜だけでなく昼の景色も素晴らし   い。

   
   
                                               写真小原雅夫
・上記の写真以外に函館の魅力的な風景を以下に紹介しよう。
 なお、これ等は筆者の別なHPなので、戻る際にはブラウザの戻るを利用下さい。
          函館絶景1      函館絶景2   

 この沢山の長所のおかげで、いろんな調査でいつも上位に挙げられています。



観光で行きたい市区町村ランキング2020」で第1位
2020年版の市区町村「観光意欲度」ランキングは、前年に引き続き札幌市、函館市が同点(56.6点)で1位となった。函館市は3年連続、札幌市は2年連続で1位になっている。3位は僅差で京都市(56.2点)、4位は小樽市(53.0点)となった。4位までは前年と同じ顔ぶれになったが、5位は前年11位の富良野市(49.9点)がランクインした。

「地域ブランド調査2021」で第2位
全国で最も魅力的な都道府県は13年連続で北海道となった。
市区町村では札幌市が1位、函館市が2位であったが、実は函館は2006年以来のこの調査で6回日本一になっている
※この調査は、1,047の地域(1,000市区町村、及び47都道府県)を調査対象とし、全国3万人が各地域のブランド力を徹底評価する日本最大規模の消費者調査です。

「北海道で最も注目されている街2021」第2位 (1位は札幌)
「街並みや雰囲気」が良いと回答した人が87%と多く、そのほかは「愛着」が84%、「店の充実」が79%、「安全」が67%となりました。回答者からは、水道水がおいしい点などを評価する声が聞かれました。

「いい部屋ネット 街の住みここち&住みたい街ランキング2021」第2位
北海道版の住みたい街(自治体)ランキングでは1位の札幌市に次いで、函館市が2年連続の2位となった。



 第5章 当時の函館のマンション事情 

ここで少し運動を離れて、函館山山麓での高層マンション建設の実態を述べておこう。
ハリストス正教会とカトリック元町教会を中心としたおおよそ600mx400mの範囲内での建設である。

1988年1月 アートビュウ元町完成
1988年7月 ロジェ末広完成
1988年8月 ライオンズ元町完成
1988年12月 アートビュウ大三坂完成
1989年3月 タオコート函館山完成
1989年7月 ポートビュウ函館完成
1989年8月 パシフィック第三坂1完成
1989年8月 パシフィック第三坂2完成
1989年9月 ルネサンス末広完成



2年若の間に次々と建設されていったのが分かる。これらは、建設当時は、購入されても部屋の明かりが点く事は殆ど無く(下の写真参照)、投機の対象としての購入が多かった。業者も、貧しい人が多い函館の人を客とは考えておらず、都市部の富裕層をターゲットとしていた。函館で販売のお知らせが出る前に都心で「将来値上がりする物件」として大々的に宣伝していた。この事も、函館の市民を怒らせる要因となった。
業者は建設前には周辺の商店主等には、住人が増えて売り上げも増える、といった話をしたが、現実は逆で住人を追い出したようなものだった。業者にとっては住人は増えなくとも建物が売れればそれでいいのだ。
この状況には腹立たしく思っていた市民は多かったと思う。しかし、これだけ次々にと建っていくと、「もうしようがないんだ。市としても法令上も建つに任せるしかないんだ」といった気分が蔓延していったのも事実である。


  

上記のマンションの立地にはある特徴がある。
実は函館市では1988年4月に「函館市西部地区歴史的景観条例」を施行して、景観を破壊する建設から歴史地区を守る施策を始めた。業者はすぐに気づいた。という事はその区域は駄目だが、そのすぐ外側なら建設OKで、かつ邪魔なよそのマンションが見えない可能性が高い。指定された区域は将来も高い建物が建つ心配は無いので見晴らしの半分は大丈夫というわけだ。自分たちのマンション自身は大きな景観破壊をしているが自身は見えないからいいのだ。そして他のマンションはうっとうしいのだ。

これらの一連の建設ラッシュから半年近く期間を置いて突然降って湧いたのが我が家の近隣での建設予告であった。上記のマンション群からは800m程度離れた谷地頭町と呼ばれる土地で、近くには谷地頭温泉や立待岬などもある。

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